宮大工とは、社寺・仏閣の建築を行なう大工の中の大工で、一人前になるまでは、厳しい修業を要するという。その中での棟梁の仕事は、選び抜かれた人間だけがなれる誇り高きもの。もちろん技術だけではなく、人間性をも大きく問われる。若き職人が憧れ、目指す仕事でもある。
塚本棟梁は、この業界でも一目置かれている存在で、技、人間性共に高い評価を得ている。これまで自分の技を磨くためには努力を惜しまず、ひたむきに大工人生を歩んできた。今でも自分自身の技の追求に余念がないが、その技を次世代へと残すために、若者の育成にも取組んでいる。これまで培ってきた大工の仕事に対する自信と信念がみなぎる、そんな棟梁の仕事ぶりをのぞいてみる。

イメージ
棟梁の話 職人の話 木の話 匠の技 創造課程へ 施工例へ
原寸引き付け
原寸作業の床いっぱいに短計断面立面、部材そのものの大きさの断面立面の墨つけ。これが後の作業の要となるため、ミスが許されない。ベテラン棟梁でさえ、一番神経を使う部分でもあるとか。
加工
製材された木材に、部材としての命を吹き込む。加工場で各部材に型版をもとに墨付けをする。暗号にも見えるこの墨付けを見て、大工たちが現場で各部材を刻み、彫刻を施す。
適材適所

ひとつの建物を建てるために、多くの人と材を要するが、人にも木にも性格・特徴がある。それを見極め、配置するのが棟梁の仕事だと塚本棟梁は言う。
現場では決して多くを語ることなく、黙々と仕事をこなしているが、360度見渡せる目を持っているかのように、現場の様子、仕事の進み具合、職人の動きをすべて把握している。
現場の状況に、長年培ってきた経験をプラスし適確な判断をくだす。その判断で建物の善し悪し、また建物の寿命が決まるといっても過言ではない。ミスが許されないため、毎日の全ての作業に熱が入る。
職歴34年、ベテランの棟梁でさえ「仕事は難しい、簡単と思ったことは今まで一度もない」と言う。この言葉から、大工の仕事の奥の深さと、どんな仕事にも気を抜くことなく本気で取組む棟梁の心意気が伺える。
「仕事が大きければ大きいほど、難しければ難しいほど、完成した時の満足感が大きい」と棟梁。ひとつの建物に、棟梁はじめ多くの大工たちの心意気が吹き込まれて、何百年と耐え得る建物が完成するのだ。

組み立て
加工場での墨付けが終わると、大工たちと共に現場で作業を行なう。千年万年持つようにと心を込め、匠の技を施し、形にしていく。
棟板
住宅から社寺・仏閣まで、全ての建物の棟木に必ず棟梁の名前が記される。その建物の寿命の分だけ消えることなく残るのだ。「会社の名前でもなく、社長の名前でもなく、自分の名前が残るというのは責任を感じます」と棟梁。自分の名前が世に残る仕事もそうない。選び抜かれた人間だけに与えられる名誉だ。

Copyright(C)2002. TANAKA CONSTRUCTION Co. All rights reserved.