瓦職人の『技』。瓦の始まりと『技』

日本に瓦が伝わったのは西暦588年、百済から仏教と共に伝えられたと言われています。その頃の瓦が奈良県にある元興寺の極楽坊本堂と禅室に今も葺かれており、現存する日本最古の瓦と言われています。このことは当時の瓦製造技術がいかに優れたものであったかと同時に建築素材としての瓦の素晴らしさをも教えてくれます。 屋根は建物の重要な要素のひとつです。機能性に加えて、そのフォルムと微妙なラインが建物のイメージを左右すると言っても過言ではありません。その仕上げに使う瓦を選び、機能性を保ちながら屋根の優美な曲線を実現するために瓦を葺く…それが瓦職人の技です。

選ぶ技術

寺社仏閣で使う瓦は、粘土を素材に混練・成形・焼成などの過程を経て作られています。かつては全国各地で作られていましたが、現在は日本三大瓦と呼ばれる「三州瓦(愛知県西三河地方)」、「淡路瓦(兵庫県淡路島)」、「石州瓦(島根県石見地方)」が9割を占めています。瓦には素材の土、成形や焼成の具合によって様々な特性があります。瓦職人はそれらの特性を踏まえて、建物に適した瓦を選ぶことからはじめます。ときには、建物のイメージへのこだわりから、瓦の反り具合などの形や焼き具合などに注文をつけることもあります。

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葺く技術

瓦職人の目から見ると、1枚として同じ瓦はありません。その反り具合や色合いは1枚1枚微妙に違っているのです。それらの瓦をすべて吟味して、どの順番で瓦を葺いていくかを決めます。それによって屋根の微妙なラインが決まるからです。また、まっすぐに葺いたからといって、人の目にはまっすぐには見えません。経験とデータに裏打ちされた微妙なラインを作ることによって人の目に心地良く見える優美なラインができあがります。また、耐久性をより高めるために、できるだけ漆喰を使わずに仕上げることもこだわりのひとつです。

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「千人に一人の本質を見抜く目利きがいる」

「そのことを信条に決して妥協することなく、瓦を焼き、葺く、職人のこだわりがここにあります。」

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